ヒューリスティック評価法とは?
2013年6月9日
ヒューリスティック評価法は、インタフェースを見て、インタフェースの良否に対する見解を見つけ出す方法です。
ヒューリスティック評価法はユーザーインタフェース・デザインにおけるユーザビリティの問題点を発見することを目標にしています。
ユーザーインタフェースのヒューリスティック評価は1人の評価者でも実行可能ですが、数人の評価者からの評価を集めることでかなり良い結果がえられます。数人の評価者で実施をする場合は、偏見のない評価者独自の意見を出してもらうために、評価者全員が評価を終えるまでは、評価者同士の話し合いや結果の集計は行いません。
各評価者はインタフェースを何度か試してさまざまなダイアログ要素を調べ、認識されたユーザビリティ原則に対応しているかどうかを評価します。
評価者はインタフェースの評価をどのように進めるかを自分で決めますが、一般的な方法としては少なくとも二度インタフェース全体を試します。一度目はシステムの全体像とインタラクションの流れをつかむため、二度目は全体を知った上で特定のインタフェース要素に注目をして評価していきます。
ヒューリスティック評価表による結果は、インタフェースのユーザビリティ問題点の一覧で表わし、評価者が違反していると指摘されたデザイン上のユーザビリティ原則を参照できるようにします。
■ ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ ヒューリスティック評価法
ヤコブ・ニールセンによって考案されたヒューリスティック評価法は、ユーザビリティの専門家がその経験と直感的洞察にもとづいて、インタフェースの問題点を摘出する方法です。
基本的なヒューリスティック評価項目として次の10項目が挙げられています。
【ヒューリスティック評価の基本的な10項目】
- フィードバック (Visibility of System Status)
- システムは一貫してユーザーに何をしているのか、ユーザーのインプットがどう解釈されているのかを知らせる必要がある
- シンプルで自然な対話 (Match between system and the real world)
- インターフェースはユーザーの作業にできるだけ自然であるべき
- ユーザーが望む情報そのものを望んだ時に望んだ場所で見られるようにする
- 情報オブジェクトと操作手順はユーザが最も効率的で生産性のあがるアクセス方法に合わせる
- ユーザーインターフェースの用語はユーザーの言語を基本にするべき
- 出口を明らかにする (User control and freedom)
- システムはどんな状況からでも容易に抜け出せる方法を提供すべき
- 最小限で、美しいデザインにする (Aesthetic and minimalist design)
- ユーザーインターフェースは可能な限りシンプルであるべき
- ユーザーの記憶負荷を最小限にする (Recognition rather than recall)
- 一貫性 (Consistency and standards)
- デザインや機能に関する一貫性
- ショートカット (Flexibility and efficiency of use)
- ユーザーインターフェースは一般的なルールをしっている人ならだれでも操作できるようにすべきだが、経験のあるユーザーが頻繁に実行する操作に関してはショートカットでより速く操作できるようにすべき
- 適切なエラーメッセージ (Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
- 明確な言葉で表現し、分かりにくい用語を避ける
- 漠然としたあいまいな表現でなく、正確な表現にする
- ユーザーが問題を解決するための建設的な提案をする
- エラーメッセージは礼儀正しく
- エラーを防ぐ (Error prevention)
- ヘルプとドキュメンテーション (Help and documentation)
各項目の具体的な内容は、今後の記事で詳しく説明していきます。